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鎮痛剤と胃腸薬

目次

鎮痛薬

胃腸薬

1.はじめに

薬剤は効果と副作用(リスク)を常に考慮しながら投与します。例えば カロナールは安全性が高く、妊婦 子供、喘息患者(1000mg以下)に使用できるとされていますが、肝障害を起こしやすい薬剤として知られていますし、重症薬疹のSJS(Stevent-JohnsonSyndrome皮膚粘膜眼症候群の原因薬剤では発生率4位(歯科薬剤ではトップ)まあTEN(ライエル症候群 中毒性表皮壊死症)の原因薬剤では2位(歯科薬剤ではトップ)です。つまり100%安全な薬剤は存在しません。

私は30年近く開業していますが、入院するに到った例が2例あります。2人ともアレルギィー体質ではありせんでした。原因とされた薬剤はエンピナスPとロキソニンでした、両方とも処方した当時は厚生労働省監修の医薬品安全対策情報(DrugSafetyUpdate)に報告がありませんでしたので、非常に驚きました。副作用の情報は認可がおりて半年から1年ほどで重大な副作用が報告されることがあり、新しい薬も良し悪しです。
薬にアレルギィーがあるかどうかは実際にその薬を飲んでみるまではわかりません。あらかじめわかるものではありませんが事故が起きた場合はその処方が適当であるかどうか問われます。アレルギィーがでやすい方は処方に慎重になるのですが、全くそれまで薬にアレルギィーが無いかたでも起こります。

2.種類

NSAIDs(エヌサイズ Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs=ステロイドではない抗炎症薬剤)は大きく分けて①酸性NSAIDs②中世NSAIDs③アルカリ性NSAIDs④どちらにも分類されないものの3種類に分かれます。ほとんど①酸性NSAIDsになります。たくさんあるように思えますが以下の太字で書かれている7種類が主に処方されているものです。私の歯科医院ではカロナール、ロキソニン、フロベン、インダシンの処方がほとんどですのでそれらの考察が多くなっています

①酸性NSAIDs    
サリチル酸系 サリチル酸 アスピリン バファリンTM
アントニル酸系 メフェナム酸 ポンタール
アリール酸系    
  (フェニル酢酸系)ジクロフェナック ボルタレン ソレルモン
  (インドール酢酸系)インドメタシン インダシンTM 、ジソペイン
  (イサキゾール酢酸系) モフェゾラク
  (ピラノ酢酸系) エトドラク
  (ナフタレン系) ナプメトン
プロピオン酸系 ザルトプロフェン ソレトン ペオン
  イブプロフェン  
  ナプロフロキサン ナプロキセン
  フルルビフロフェン フロベン;
  ロキソプロフェン ロキソニン(プロドラッグ) ロキソマリン
エノール酸系=オキシカム系 ピロキシカム バキソ
  アンピロキシカム フルカム(プロドラッグ)
  ロルノキシカム ロルカム
  メロキシカム モービック
②中性NSAIDs コキシブ系 セレコキシブ
③塩基性NSAIDs チエラミド ソランタール
  メピリゾール メブロン
  ベンジタミン リリペン
  エモルファゾン ペントイル サンド
④その他    
ピリン系のピラゾロン誘導体 アミノピリン グレラン含有
  スルピリン セデス含有
  アンチピリン  
ピリン系のピラゾリジン誘導体 フェニルブタゾン  
非ピリン系 アセトアミノフェン カロナール
  フェナセチン  
  シメトリド キョーリンAP2含有

3.間違え安い語句

アスピリンはピリン系?
ピリン系ではありません。語源が違うのですが同じ表現になってしまいました。
アスピリンはアセチルサリチル酸のことです{aspirin=acetyl(アセチル)+spiraeic acid(サリチル酸)+in} ピリン系 は{pyretica(発熱)+in}が語源になっています、これはピラゾロンまたはピラゾリジン誘導体です。

バッファリンの成分は?
NSAIDsは血液中の血しょう板の凝集を妨げるはたらきがありますが、アスピリンは小児用バファリンとしてよく狭心症の方によく処方されています。ところでバファリンもいろいろ種類があり注意しなくてはいけません、小児用バファリンCⅡ(アセトアミノフェン)のように似たような名前で全く成分の違うものもあります。

4.COX-1とCOX2

酸性NSAIDsについて話しますと。シクロオキシナーゼ(COX コックス)という酵素が体のなかにありますが、COXはPG(プロスタグランチン)の生成を阻害します。PGsは炎症の産生、消化粘膜.腎臓の血流保持、粘膜保護作用があります。シクロオキシナーゼ(COX)はCOX-1とCOX2の2種類あります。COX-2はPG(炎症時に誘導される炎症、発熱作用がある)の合成酵素です。酸性NSAIDsはCOXを阻害しますのでPGの合成を抑制します。PGは抗炎症作用、鎮痛作用、解熱作用を持ちます。つまりNSAIDsはPGの合成阻害によって痛みをとめるわけです。

NSAIDsがCOX-2だけ阻害してくれればよいのですが、COX1、COX2両者とも阻害します。COX-1は胃粘膜保護や血しょう板凝集などに働く酵素です。NSAIDsはCOX1も阻害しますので胃粘膜が荒れて胃腸障害がでたり、血液が固まりにくくなったりします。

痛み止めを飲んで胃が荒れるのはNSAIDsが直接胃に働きかけて荒らすほかにCOX-1の阻害による作用があるということです。

座薬は腸管から吸収されるので、吸収時に胃を荒らすことはありませんが、COX-1の阻害がありますので胃腸障害を起こします。

プロスタグランチンには血管の拡張作用があります。NSAIDsを投与すると腎臓にあるプロスタグランチンを抑制してしまいます。つまり血管が収縮して血流不足になります。腎臓は血流を確保するために血圧を上げます。これが後述する悪性高血圧での投与禁忌につながります。

アセトアミノフェンは他のNSAIDsと違いCOX3の抑制作用があるといわれています。このことに関しては後述します。

COX2選択的阻害剤について

COX-2選択的阻害剤はセレコキシブ(セレコックス)、メロキシカム(モーリック)、エトドラク(ハイペン)があります。COX-2だけを阻害してくれるようである意味理想的な薬剤で非常に期待されていたのですが、2001年頃よりアメリカで心筋梗塞などの血栓症の報告がされ始めていまいちというところです。 アスピリン喘息患者にセレコシブを高用量投与しても呼吸状態に変化をあたえないという報告がありその方面で期待されています

COX-2選択阻害性

アセトアミノフェン(カロナール)  
ロキソプロフェン(ロキソニン) 0.014
ジクロフェナック (ボルタレン) 0.60
インドメタシン (インダシン) 0.11

5.胃腸障害

NSAIDsの危険因子として①潰瘍または消化管出血の既往②60歳より高齢③通常の2倍量の服用④ステロイドの併用⑤抗凝固剤の服用の併用を5つの危険因子としてあげています。胃腸障害は腹痛などでわかるものですが、無症状で消化管出血や穿孔がおこることがあります患者の黒色便(タール便)に注意しましょう

  1. 胃腸障害の患者の第一選択はカロナールです。これで効かないときは前述の危険因子を考慮しながらロキソニンを処方します。COX-2選択阻害性をみるとボルタレン(6.63%)は優秀です、しかしプロドラッグでなおかつ胃腸障害の少ないといわれるプロピオン系のロキソニン(2.25%)のほうが発生頻度はすくないです
  2. COX-2を選択的に阻害してくれる薬(COX-2阻害剤 ハイペン モービックなど)があります。心臓への副作用が報告されてから ちょっと使い辛いですね
  3. NSAIDsとの併用に胃粘膜保護役のセルベックを併用するのもよいです
  4. H2ブロッカーやPPIを使うのも良いです
  5. 座薬の使用も効果的です 酸性NSAIDsの強力なものにボルタレンとインダシンの座薬があります。お尻から入れる座薬ですので胃に刺激が無さそうに思えますが、やはりCOX-1の阻害作用によって胃腸障害がでることがあります。ただ直接胃の粘膜には働きかけないので胃腸障害は軽度ではあります。”座薬”ですのでそうとう使いにくいものではありますが激しい痛みのときは有効です。
    私の処方はボルタレンとインダシンの座薬ですが、これらの鎮痛作用は強力です。「顎を抱えてのた打ち回っている患者さんでも痛みが無くなる」といわれています。一般の歯科診療では鎮痛薬の注射はまず行わないので、これが切り札といえます。
    困ったことにボルタレンは錠剤のみ歯科の保険適応です。SR(除放型)とサポは適応がありません。またインダシン座薬が歯科の保険適応か不明です
  6. 空腹時を避けて食後に飲むのも良い方法です。

6.塩基性鎮痛抗炎症剤

いままで使ったことがありません。鎮痛作用が弱く使う気になれません妊娠後期にも安全性が高いとありますが効かなかったら意味がありません。エモルファンド(ペントイル)は喘息に唯一禁忌ではありません。幸運にも重度の喘息患者に会っていませんので投与の機会はまだありません。ただしエモルファンドは消化器潰瘍、重篤な血液、肝、腎障害 妊婦には禁忌になっています、要注意です。

7効果時間

比較的半減期の少ない薬剤しか使用していません

一般名(商品名) 血中半減期(時間)→ 効果時間(長時間効くか?) T.Max 最高血中濃度到達時間(早く効くか?)
アセトアミノフェン(カロナール) 1.5-3時間→効果時間2-4時間 0.2-2時間
ロキソプロフェン(ロキソニン) 1.3時間→効果時間0.5-5時間 0.5時間
ジクロフェナック(ボルタレンR) 1.2時間→効果時間1-6時間 2.72時間
インドメタシン(インダシン) 3時間 1時間

8.痛む前に飲んだら効くか

痛む前に、NSAIDsやカロナールの投与が有効で、痛みの発現を少なくし結果的に薬の投与量を少なくするという報告があります。まだはっきりとしたデーターは無いようですが、患者には喜ばれますので大きな外科処置後におこなっています。

9..アセトアミノフェン(カロナール)の用量拡大

安全性の高いカロナールの成人における用量がh23/01/21に拡大され。1回300-1000mg 1日4000mgまで使用可能になりました。これで国際的な用法と同じになりました。アセトアミノフェンは鎮痛効果が低く、1000mgでロキソニン1錠分に相当します。1日4000mgですからこれでロキソニンと同程度に使えることになります。

喘息患者にも安全とされるカロナールですが1000mgを超える高用量では過敏反応を誘発します。

また肝障害を起こしやすい薬剤です。250mg/kgの高濃度(体重60kgなら15000mg)にならなければ発症しないといわれていますが、他の感冒薬などにも含まれていますので注意してください

アセトアミノフェンの薬理作用はまだはっきり分かっていません。脳内で痛みの知覚に関与するシクロオキシゲナーゼ3 (COX3)を特異的に阻害することで鎮痛効果を発現するといわれています。

アセトアミノフェンはNSAIDsのような末梢におけるPG合成阻害作用をほとんどもちません。NSAIDsの4大副作用である腎障害、消化性潰瘍、抗血小板作用による易出血性、アスピリン喘息のいずれも非常に発症頻度が少ないです。欧米ではその疾患をもつ患者様にかなり投与されています。

ただし日本の添付文書は消化性潰瘍のある患者、重篤な血液の異常のある患者、重篤な腎障害のある患者、重篤な心機能不全のある患者、アスピリン喘息のある患者に対してNSAIDsの添付文書と同様いずれも禁忌となっています。これでは出せませんね?

アセトアミノフェンと他剤の相互作用

下記の薬剤を長期服用している患者はアセトアミノフェンと併用することで肝障害がでやすくなります。
ガルママゼピン フェノバルビタール フェニトイン プリミドン リファンピシリン イソニアシド

10.他の疾病 他薬剤との相互作用

悪性高血圧(最高血圧210mmhg以上 最低血圧130mmhg以上)
NSAIDsの投与禁忌 塩基性ソランタールは腎障害が無ければ問題なし

抗血栓療法
出血傾向の増加があるので注意

喘息
成人の喘息患者の10%は鎮痛薬で発作が誘発される可能性があります
カロナール比較的安全。発作の報告は皆無ではなく1000mg以上投与で過敏反応があります
塩基性のエモルファンド(ペントイル)は喘息に唯一禁忌ではありません。エモルファンドは消化器潰瘍、重篤な血液、肝、腎障害 妊婦には禁忌になっています、
セレコシブ(COX-2阻害剤)はアスピリン喘息患者には禁忌になっていますが、アスピリン喘息患者にセレコシブを高用量投与しても呼吸状態に変化をあたえないという報告があります

糖尿病
私の使用する鎮痛剤(カロナール ロキソニン ボルタレン インダシン)ではロキソニンに血糖降下作用の増強があります

腎障害軽度中度
NSAIDsのほとんどに急性腎不全のおそれが記載されていますが、前述したように アセトアミノフェン(カロナール)にはPG(プロスタグランチン=血管を拡張させます)の阻害作用はありません。つまり腎臓の血流量を減らしません。第一選択はアセトアミノフェンです。

軽度中度の腎不全では腎障害の少ないプロピオン系のロキソニンは減量しなくてもよいとあります。

重度および透析患者
アセトアミノフェンは日本の添付文書では重篤な腎疾患では禁忌になっていますが、米国では可能とされています。権威あるアプライド・セラピューティクスという成書ではアセトアミノフェンの腎障害は「極めてまれ~まれ」に分類されています。

アセトアミノフェンは重篤な腎疾患では血中濃度が3倍になります。1200mg分2また1500mg分3でだすと、1日量が実質3倍の3600-4500mgになりますが米国での1日投与量が4000mgだそうなので可能と思われます。アセトアミノフェンには肝臓障害の副作用がありますのでその点は要注意です。

日本の添付文書に従うと重度の腎障害者に出せる薬はありません

腎機能廃絶 無尿患者
完全に腎臓が機能していない状態ですので、NSAIDs投与可能と思われます。

がん科学療法 リウマチ療法
シスプラチンなど強い腎毒性がある抗がん剤ではNSAIDsは使用禁忌。
抗リウマチ剤のメトトレキサート(リウマトレックス)の血中濃度を増加させ骨髄抑制や口内炎などの副作用を増加させます。 カロナールを使用します

肝臓疾患
NSAIDsは肝臓障害が一般に強いです。アセトアミノフェンは他の疾病では安全ですが、この薬は特に肝障害が強いのでダメです。塩基性鎮痛剤(ソランタール、メブロンなど)が良いようですが、塩基性は鎮痛効果が低いのが欠点です。

重度の肝臓疾患のかたに安心して出せる鎮痛薬はありません

相互作用機序 他薬剤 NSAIDs 主な症状
同一の機序 ループ利尿薬 NSAIDs 腎障害
  トリアムテレン インドメタシン 腎毒性増強
    ジクロッフェナクナトリウム  
  K保持性利尿薬 NSAIDs 高K血症
  抗血液凝固薬 NSAIDs 出血傾向
相反する機序 降圧剤 NSAIDs 降圧作用減弱
  利尿薬 NSAIDs 利尿作用減弱
結合蛋白 ワルファリン NSAIDs 出血傾向
  血糖降下薬 サリチル酸 低血糖
  抗てんかん薬 NSAIDs 作用増強.中毒
薬物代謝.排泄 尿酸排泄促進剤 NSAIDs 消化器障害、腎障害
  メトトレキサート NSAIDs 骨髄抑制、腎障害
  リチウム NSAIDs 腎障害、中毒症状
  シゴキシン NSAIDs 腎障害、中毒症状
  アミノグルコシド NSAIDs 腎障害
  ニューキノロン抗菌薬 NSAIDs 中枢神経症状(痙攣)

味覚障害ボルタレンの副作用には味覚障害があります

11.妊娠および授乳時

妊婦への第一選択はカロナールです。以前は全妊娠期間を通して安全である、といわれていましたが、最近「妊娠後期の妊婦にアセトアミノフェンを投与すると、胎児に動脈管収縮を起こす可能性がある」との通達があり、投与できなくなりました。これで妊娠後期に投与できる薬はなくなりました。
妊婦にロキソニンは避けたほうがよいといわれますが、妊娠中服用していた女性の出生時の異常が自然発生的な異常と差が無い報告があります。ただし末期は避けたほうが無難でしょう。

授乳時の第一選択もカロナールです。母乳移行率は1.85%と低く、授乳中に投与してもリスクはかなり低いです。
ロキソニンも投与可能です、世界保健機構(WHO)の見解ではロキソニン短期の使用は問題ないとされています。服用後2時間あければ問題ないとされています。

妊婦と授乳時の投与量ですが、1回量400-500mgで1日3-4回服用します。大量投与(4000mg/day)も可能と思われますがはっきりしません。

一般名(商品名) 妊婦への適応 授乳婦への適応
アセトアミノフェン(カロナール) 証明された危険性なし
人でのデーターは無いがまあOK
使用可能
心配なら授乳直前に服用
ロキソプロフェン(ロキソニン) 評価なし
使用を避けたほうが無難か?
評価なし
ジクロフェナック (ボルタレンR) 証明された危険あり つまりダメ 評価なし
心配なら授乳直前に服用
インドメタシン (インダシン) 禁忌  

12.小児の投与

カロナールが第一選択 シロップもあります
カロナールは成人における用量は拡大しましたが 子供はまだ認められていません

1回10-15mg 投与間隔4‐6時間以上 1日総量60mg/kg
成人用量(1500mg-4000mg?)を超えないこと

たとえば体重20kgの子供だと 1回300mg  1日4回で1日総量1200mgになります

参考文献
歯科における薬の使い方 2003-2006年版 2007-2010年版 2011-2014年版

1.胃腸薬の種類には胃酸の分泌を抑えるもの

胃酸は胃のプロトポンプから分泌されています。プロトポンプにはアセチルコリン、ガストリン、ヒスタミン、の3種類の受容体があります。それぞれの受容体にアセチルコリンなどが結合することによってプロトポンプが作動するわけです。一番確かなのは大元のポンプを阻害してしまうのが効果的です。プロトポンプ阻害剤(=PPI)は下記のようなものがあります。これは市販されていません。市販されよく使われているのはH2ブロッカー(ヒスタミン阻害剤=H2受容体拮抗剤)です。胃腸障害には神経性のものなどいろいろあるのですが、いずれも胃酸の分泌を少なくすればなおってしまいますので、H2ブロッカーが市販されたのは画期的なことだと思っています。医者にゆくことを面倒くさがるかたでも初期の段階で軽快します。夜間はヒスタミン受容体のみが作動しますので夜間の分泌抑制には非常に効果的です。日中はアセチルコリン、ガストロン受容体も働いていますので効きが弱くなります。元から断つために最近では医科からPPIが処方されることが多くなっています。

PPI

商品名 一般名
オメプラゾール(アストラゼネカ) オメプラゾール
オメプラゾン(三菱ウェルファーマ) オメプラゾール
タケプロン(武田薬品) ランソプラゾール
バリエット(エーザイ) ラベプラゾールナトリウム

最近歯科で使われる抗菌薬は①セフェム系②マクロライド系③ニューキノロン系とありますが。H2ブロッカーをはじめ胃酸の分泌を抑えるものは胃を中性に傾けます(胃内のPHの上昇)。 ①エステル型のセフェム系では溶解が抑制されるためCmax(最高血中濃度)とAUC(血清中濃度曲線下面積)が40-60%低下するため、ほとんど効かなくなります。これを服用されている方は①活性型セフェム 例セフジニル(商品名セフゾン)②マクロライド系③ニューキノロン系に変えます。

ところでエステル型のセフェムはプロドラッグと呼ばれる体に入ってから薬として活性化するもので副作用が少ないもので良く処方されますが、化膿している部位に振りかけてもなんの効果もありません。

2.胃酸を中和するもの Al.Mg製剤

  1. エステル型のセフェム系 CmaxとAUCは30-50%低下します。効きませんね。理由は不明ですが活性型のセフジニルも吸収が40%減少します。
  2. マクロライド系  アジスロマイシン(商)ジスロマックに最高血中濃度の減少があります、機序は不明です。
  3. ニューキノロン系 金属イオンとキレートを形成して吸収を阻害します。 このての胃薬がでていたら相互作用のないものに変えてしまいましょう。

アルミニューム、マグネシュームを含む制酸剤

制酸剤 健胃消化剤 消化性潰瘍治療剤
合成ケイ酸アルミニウム末 つくしA.M. アルジオキサ製剤
天然ケイ酸アルミニウム FK散 アルサルミン
乾燥水酸化アルミヌムゲル末 TM散 メサフィリン末
ケイ酸マグネシウム ホリタ胃散 バイテリン
酸化マグネシウム リーダイM末 ファイナリン散
炭酸マグネシウム YM酸「イセイ」 コランチル
ケイ酸アルギン酸マグネシウム SM散 ノバフィリンG
ビスマス   ガストロフィリンA
メタケイ酸アルミン酸   アランタ
マグネシウム   ネオユモール
ビスコート   キャベジンUコーワ
マーロック   ユーナイン
    アルロイドG
下痢 浣腸剤    
硫酸マグネシウム末    
セチロ    

3.粘膜の保護剤

アミノ酸系 マズーレンS顆粒、ムコスタ
テルペン系 ゲファニールカプセル、セルベックス、ケルナック、ガストローム顆粒
イソプレニカルコン誘導体 ソロン
トラネキサム酸誘導体 ノイエル、ウルグート

抗菌剤といっしょにだす胃腸薬はこれが一番相互作用がありません。当院ではセルベックスを出しています。

4.乳酸菌製剤

抗菌剤の副作用に下痢などの胃腸障害があります。偽膜性腸炎や出血性腸炎は原因は不明ですが、抗菌剤が一部の腸内細菌を殺し細菌層を変化させることによって起きるのだろうといわれています。乳酸菌製剤の代わりにブルガリヤヨーグルトを飲ませる先生もいます。事故を避けるのに安全で効果的な方法と考えます。

参考文献
歯科における薬の使い方 2003-2006年版 2007-2010年版 2011-2014年版

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