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認知症と摂食障害

目次

認知症の種類と割合

認知症の症状

認知症の種類による特徴と摂食・嚥下障害における対処法

Ⅰ認知症の種類と割合 (認知症は加齢とともに増加します)


都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応」
(平成23年度~平成24年度)総合研究報告書

以下カッコ内の割合は概数です。

① アルツハイマー型認知症Alzheimer’s disease; AD(50%?)
② 脳血管型認知症vascular dementia; VD(20%?)
③ レビー小体型認知症・ピック病 dementia with Lewy bodies;. DLB
④ 前頭側頭型認知症frontotemporal lobar degeneration; FTLD) (③+④で25%?)
⑤ その他5%

その他は無数です
薬剤によるもの(アルコール性認知症ぐらい)
感染によるもの(エイズ・梅毒・狂牛病・クロイツフェルトヤコブ病 等 )
今の日本では発生率は誤差のうち
外傷等 正常圧水頭症(脳脊髄液の循環不全によるもの)
など、など

Ⅱ認知症の症状

加齢による老化に伴って認知力は下がりますが、これとは違い、認知症は疾患です
認知症は、なんらかの理由によって脳の一部の機能が失われます。例えば記憶では、記憶の一部がごそっと抜け落ちるようになくなります。老化と違い思い出そうとしても思い出せません。

症状は中核症状(認知症の種類に関係なく必ずでるもの)と周辺症状や行動心理症状BPSD(Behavioral and psychological symptoms of dementia)と呼ばれる 種類や個人によって症状の差が大きいものがあります。周囲の対処によって周辺症状BPSDは発現を低くできるとされています

中核症状としては

1.記憶障害(まず短期記憶が障害をされます)
2.見当識障害
時間の見当識障害(今、朝なのか夜なのか? 冬なのか夏なのか?わからない)
位置の見当識障害(ここはどこだろうかわからない→徘徊へ)
3.判断力の低下
計画ができない(服を脱いでから風呂に入るのだろうか?食べる順番がわからない)
4.実行機能障害

上記1から3によって実行できなくなる

周辺症状BPSD(Behavioral and psychological symptoms of dementia)としては

1. 不安
2. 睡眠障害
3. 抑うつ状態
4. 依存
5. 妄想
6. 幻覚
7. 攻撃的行動
8. 徘徊

があります対象者に対応して、その認知症の症状によって対処法を決めれば良いのですがタイプによって特徴的な部分もあります。

失認・失行のほかに 時々失調という言葉が出てきますが(デジタル大辞泉 – 運動失調の用語解説によると)以下のようです
個々の筋肉の運動は正常であるが、関係する神経の協調がうまくいかないため、目的とする運動を円滑にできなくなる状態。小脳・ 大脳・脊髄・内耳の神経などの障害によって起こる。

Ⅲ認知症の種類による特徴と摂食・嚥下障害における対処法

(主として昭和大学の論文を参考にさせていただきました)
ざっと 下記のような特徴があります

① アルツハイマー型認知症ADでは短期記憶の障害
② 脳血管型認知症VDでは血管の出血や閉塞で障害を受けた部位に限る障害
③ レビー小体型認知症DRBでは幻視
④ 前頭側頭型認知症はFTLD人格障害

① アルツハイマー型認知症ADの摂食・嚥下障害の特徴

Alzheimer’s disease; AD

アルツハイマー病脳病変の特徴は以下のようです
1. 神経細胞の変性消失とそれに伴う大脳萎縮、
2. 老人斑の多発(アミロイドβタンパク質の蓄積です)
3. 神経原線維変化(neurofibrillary tangle:NFT)タウタンパク質の異常によります

初期

実行機能障害、記憶障害、判断力の低下
買い物 食物の貯蔵管理 調理が困難(鍋焦がしや味付けの変化)

中期

失認・失行・記憶障害
目前の食物を認知できず、失行により食べ始めることができない
空間認識障害と失行
食具の位置や使い方の混乱 うまく使えず手で食べる こぼす
注意障害
過剰な環境刺激により摂食を中断→刺激の質を量の調整 物音など過剰な環境刺激の調整 好物の活用 食卓を囲む仲間 1品づつ配膳

後期・末期(重度期)

口腔失行
「いつまでも咀嚼し続ける」「口腔内に食物を溜める」「口が開かない」
⇒感覚機能の活用 下口唇をスプーンで触れる 
ゼリーなど食感が異なり嚥下しやすいものや好物 一口量にも配慮
嚥下障害
運動低下と硬直 口腔失行関連 大脳皮質の神経細胞が広範囲に死滅
皮質延髄路や脳神経核が障害され嚥下反射に支障、次第に嚥下反射も消失

② 血管性認知症VDの嚥下障害の摂食・嚥下障害の特徴

vascular dementia; VD
脳血管の障害(詰まったり(塞栓)や切れたり(出血))することによる障害

好出血部位は被殻が40-50% 視床が30%です
被殻は大脳基底核の一部で、運動 認知など様々な機能があります
視床は嗅覚以外のすべての感覚の中継点です

錐体外路症状
随意運動の神経は主に錐体を通りますが、錐体を通らない神経は随意運動を無意識的に調整します。パーキンソン病のような症状です。

ついでにパーキンソン病とは
淡蒼球(大脳基底核の一部)は運動に関わりがあると言われています。神経伝達物質は
中脳の黒質(ドパミン使用)→線条体(アセチルコリン使用)→(GABA使用)→淡蒼球
となりますが、最初のドパミンがうまく分泌されないと淡蒼球がうまく働きません
治療にはドパミンを足すか、アセチルコリンを阻害する薬剤を投与します。

パーキンソン病の症状 動きが悪くなったり 意志に反して勝手に動いたりします。
動きが悪くなる(固縮・無動)
意志と関係なく勝手に動く(振戦・舞踏運動・ジストニア(眼瞼痙攣・痙性斜頸等)等

余談ですが、統合失調症はドパミンの過剰分泌が原因と考えられていますのでドパミンの分泌抑制剤を投与します。するとドパミン不足の薬剤性のパーキンソン症状がでます

嚥下障害
VDでは有意に咽頭期障害が多い。これは球麻痺(脳幹部・知覚神経・下位運動ニューロン)や偽(仮)性球麻痺(大脳皮質・上位運動ニューロン)に起因しています 

VF(videofluoroscopic)検査の結果 VD高齢者の40%に誤嚥 20%に不顕性誤嚥

VD患者の誤嚥防止について
① 食卓の半分しか認知できない場合(半側空間無視)
視力に障害があり食卓の食事の半分が認知できない場合はには認知できる側に食物を置きます
② 体幹が傾いている場合
麻痺側にクッション等を入れて支えます
③ 食物がうまく運べない 
食具を工夫します
④ 食物形態
直接訓練参照
⑤ 飲み込むとき誤嚥する 患側は動きが悪いので健側から食物が入るよう工夫します
1.横向き嚥下
   嚥下するときに麻痺のある側に首を下前方に傾けます
  2.ベットでの食事介護の場合 患者様の患側を上にして 健側がわに座って介護します

③ レビー小体型認知症DLBの摂食・嚥下障害の特徴

dementia with Lewy bodies;. DLB

1.幻視
幻視が特徴的な認知症です 
例えば 食物の中に虫や鳥の羽が入っていると言い 摂食を中断する場合 盛り付けし直したり 時間を置いてから再開します

2.視空間障害
食物までの距離や位置関係が正確につかめず、摂食動作に支障があります
スプーンを鼻に運んだり 食物に手が届かない 食べこぼす 手前の皿のみ摂食 したりします

3.パーキソニズム (無動、振戦、前傾姿勢)が出ることがあります
配膳・自助具の工夫 体格に適した食卓とイスを工夫します

4.注意力障害と認知機能の日内変動
食べることができる時とできない時がある 摂食が中断する

④ 前頭側頭型認知症FTLD ピック病

frontotemporal lobar degeneration; FTLD
脳の前部(前頭葉)や側面(側頭葉)の萎縮が原因です
前頭部は人間らしさを司る部分ですが。その部分の変性により 人格障害に認知症が次第に加わってゆくタイプです

1.特有な人格変化(無欲 無関心)
2.反社会的な行動、反道徳的な行動
人を無視した態度、診察に対して非協力、不真面目な態度、ひねくれた態度、
人を馬鹿にした態度
3.自制力低下(粗暴、短絡、相手の話は聞かず一方的にしゃべりまくる)
4.感情鈍麻
5.異常行動(浪費、過食、異食、なんでも口に入れる、収集、窃盗、徘徊、他人の家に勝手にあがる 
5.滞続言語(質問の内容とは無関係に、何を聞いても同じ話を繰り返す)比較的若い人が多い

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