墨田区、錦糸町の歯医者小倉歯科のHPです。味覚障害・亜鉛と全身疾患・舌痛の案内。治療費、料金等ご相談受付中。

味覚障害・亜鉛と全身疾患・舌痛

目次

味覚障害


亜鉛欠乏と全身疾患


舌痛(いわゆる舌痛について)



味覚障害

日大医学部耳鼻咽喉科名誉教授富田先生が歯科雑誌に載せられた文章を要約しました。著書より引用した部分もあります。味覚障害の診断は血液検査や実体顕微鏡が必要なため、一般開業歯科医には不向きと思います。しかし、味覚障害を扱っている耳鼻科が少なく、治療の実態は内科で漫然と亜鉛の投与を受けているケースが多く見受けられます。味覚障害はそれを扱っている耳鼻科に紹介するのが適当と思います。
開業歯科医で相談されるケースもあり、味覚障害に関する知識をもっておくのも必要と思い掲載いたしました。



Ⅰ 味覚障害のタイプ


味は舌や軟口蓋などにある味蕾によって感じます。味蕾には5種類の受容体があります。(塩味・酸味・と甘味・苦味・うま味です)。この味蕾へのなんらかの障害と考えられます。
味覚障害はいろいろありますが、原因を探し治療する手順はどのタイプも同じです

① 味覚減退
「味が薄くなった」「食事がおいしくない」など

② 味覚欠如 無味覚
「全く味がしない」「何を食べても砂を食べているようだ」など

③ 自発性異常味覚
なにも食べていないのに、味がするタイプです。老人に多い・苦味・塩味・渋味を感じるタイプ その他甘味・酸味のケースもあります

④ 解離性味覚障害
基本味のうち1ないし2種類の味が識別できないタイプ 「チョコレートの味がしない」「「料理の塩加減がわからない」などです

⑤ 異味症
「チョコレートが苦いだけだ」「醤油が苦い」など

⑥ 味覚錯誤
本来の基本味を異なった基本味として感じるタイプ。塩味や酸味を苦味と感じたり、塩味を酸味と感じたりします。

⑦ 味覚過敏
味覚が敏感になってしまうタイプ

⑧ 片側に味覚消失があるタイプ
これは片側の神経障害が原因と思われます


Ⅱ 原因


いろいろな原因が単独や重なり合って生じます。原因を見つける方法また対処の仕方を列記しました

① 味蕾への外的障害・放射線治療
舌や軟口蓋の炎症や外傷・火傷です 見ればわかります
放射線治療
頭頚部への放射線治療の既往があることで分かります。味細胞障害・神経障害・唾液分泌障害・循環不全の複合的なもので照射後2ヶ月ごろがピークです 1-2年で徐所に改善されます

② 味物質の到達障害
1.舌苔・見ればわかります
2.錯角化症・10倍以上の顕微鏡やマクロスコープで茸状乳頭や糸状乳頭の状態を見まて診断します。
3.唾液減少(ドライマウス参照)ガムテストなどで調べます

③ 味蕾細胞の内的障害
血液検査によってわかります
亜鉛欠乏症 全身疾患(ビタミンA・B2・B9・B12 貧血)
亜鉛欠乏による味覚障害は多く、味覚障害の70%程度は亜鉛の投与で治癒または改善されます 別記亜鉛参照

④ 味覚伝導路障害

電気味覚検査EMG または濾紙ディスク法で調べます。耳鼻咽喉科での喉の手術や、歯科の伝達麻酔の既往があることで分かります。当該部の神経が損傷されたときに起こります。この検査によってどの神経に障害があるかわかります

⑤ 食物の味に関連する他の感覚の障害 
1)嗅覚障害(風味障害)10%
嗅覚が異常のときにも味覚障害はでます 味覚検査は正常です 
アリナミンテストでわかります
アリナミンを静脈注射して、にんにく臭を感じるかどうかを計る方法です。

アリナミン注射2mlを20秒かけて左正中肘静脈に注射します。

注射開始から臭いの感覚が生じるまでの時間:潜伏時間 をはかります
臭いの感覚が起きてから消えるまでの時間:持続時間  をはかります

潜伏期間が嗅覚閾値を反映し、持続時間は嗅覚疲労の起こりやすさに関係します。
潜伏期間が長く、持続時間が短いほど重症です。これにより嗅覚障害の程度を知ることができます。
正常値:潜伏期間8-9秒。持続時間1-2分

2.)抜歯や三叉神経痛治療で 歯科治療で舌ざわりや歯ざわりが変わったため「味がおかしい」と感じることもあります

⑥ 心因性10-15%
仮面うつ病・不安神経症など心因性のストレスが原因での味覚障害です。本人が自覚していない場合がおおく。CMI SDS MAS の3質問紙で分かります。必要なら心療内科に紹介します

⑦ 老化
よく味覚の減退は年をとったせいだといわれていますが、70歳代でも甘味の閾値は20歳代と有意差はありません。塩味・苦味・酸味が倍数希釈で1段階落ちるのみです。


Ⅲ 外来で行なえる検査


上述しましたが、味覚異常にする検査と用意するものを列記しました。

① 顕微鏡
舌表面の観察のため10倍以上の拡大顕微鏡が必要です

② 電気味覚計
神経の伝導路の損傷を知るために必要です。リオンTR-06型

③ 濾紙ディスク検査
ティースディスク(三和化学研究所)

④ 基準嗅覚検査
アリナミンテスト

⑤ 唾液分泌検査 ※ドライマウス参照

⑥ 心理テスト

⑦ 味覚障害のある薬剤のリスト

⑧ 問診票

⑨ 食事の指導のための亜鉛の多い食品のリスト

⑩ 採血
血清亜鉛、銅、鉄の測定
ビタミンA B2 B3(葉酸) B12の測定
糖尿病 腎不全 肝不全 甲状腺 高脂血症

亜鉛欠乏 全身疾患

Ⅰ 亜鉛の投与は味覚障害に有効


亜鉛を補充することで、味覚障害の原因が薬剤性亜鉛欠乏症、全身疾患の患者様で66%-71%に治癒あるいは改善がみらました。また血清亜鉛値が基準値範囲内の特発性(原因不明)の味覚障害にも有効です。この効果は年齢に関係ありません。亜鉛は薬局(マツモトキヨシなど)やネット通販で入手できます


Ⅱ 亜鉛の基準値と必要量


亜鉛欠乏の診断は血清亜鉛値と血清銅値を調べます。発症後間もない患者様では、血清亜鉛値が正常である潜在性亜鉛欠乏がまれではありません。
亜鉛欠乏(69μg以下) 境界値-亜欠乏(79μg以下)

必要量は大人で約15mg 子供は5mg 妊婦は20mgです。日本人の平均的な食事から摂れる量は9mgで必要量の2/3程度しか摂っていません。特に高齢者の場合、食事の量が減っていますので、必要量の1/2程度と考えられます。食事性の亜鉛不足は多いと考えられます。通常では亜鉛製剤は1日5-7.5mg程度飲むのが良いと考えられます


Ⅲ 亜鉛の摂取量


亜鉛は摂りすぎてもいけません 亜鉛と鉄、そして銅との関係で気をつけておくことがあります。 亜鉛の腸管からの吸収率は鉄と銅によって影響を受け、亜鉛の吸収を阻害します。一方、亜鉛の摂取量が多くなると逆に鉄と銅の吸収が阻害され、鉄と銅の体内での有効な効果が得にくいといった傾向にあります。上限量は1日30mgです。平均摂取量が9mgですから、約20mg程度になります。ただし亜鉛欠乏性の味覚障害には初期には60mg投与します。


Ⅳ 亜鉛を多く含む食品


亜鉛製剤を飲むのがてっとり早いのですが、自然食から摂りたいかたもいらっしゃいます。摂り方ですが、下記のように小麦胚芽や牡蠣がダントツに多いようですが、そんなに量は食べられません。肉や豆類は量を食べられます。自分で工夫して、結果的に亜鉛量が多ければよいわけです。



Ⅴ 薬剤性亜鉛欠乏症


服薬内容が原因の薬剤性味覚障害は全体の1/5を占めます。亜鉛とキレート結合する薬剤は多く、記載されている薬物は220種類にも及びます。私は患者様が飲まれている薬を全て「治療薬マニュアル」で調べていますが、味覚障害の本で「亜鉛とキレートする薬」と記載があるものでも、「治療薬マニュアル」で副作用として「味覚障害」が載っていないものもあります。患者様の服用している薬剤がどの程度の味覚障害をおこすのか分かりません。
医師に転薬を御願いするとき、明確に指示することができません。

歯科でおなじみの薬もその中にあります

アモホテリシンB・(抗真菌剤)味覚の減退または消失、
.メトロニタゾール・分類不能の味覚障害
インドメタシン・表現できない味
アンピシリン・味覚消失 異様な味

以下味覚異常をおこすもの

(NSAIDS) ブルフェン スルカム ボルタレン アスピリン ポンタール
(抗菌薬)クラリス ジョサマイシン ダラシン テトラサイクリン タリビットクラビット ビクシリン ヤマシリン
(抗真菌薬) イトラコナゾール ミコナゾール

以下はほんの一例



Ⅵ 亜鉛欠乏 原因の割合


亜鉛欠乏(血清亜鉛値69μg以下)の原因割合
28% 食事性味覚障害(亜鉛欠乏+特発性)
24% 服用薬剤
14% 全身疾患 貧血(特に鉄欠乏)肝不全 ネフローゼ 糖尿病 甲状腺機能障害(橋本病) 
10% 心因性味覚障害(仮面うつ病 神経症 など)が原因 女性に多い 舌痛症、自発性異常味覚の合併が多い
8% 風味障害(嗅覚障害
7% 口腔疾患(唾液分泌不全)



Ⅶ 全身疾患


1.腎障害 尿毒性神経症 蛋白尿や蛋白摂取制限による亜鉛不足
2.肝障害 血清中のアルブミンの減少 尿中への亜鉛排出量の増加 消化器での亜鉛吸収の減少 などによる
3.糖尿病 抹消神経障害や尿中への亜鉛排出量の増加 による
4.消化器 胃や腸管の手術後  まれにクローン病 クロンカイト・カナダ症候群
5.ビタミン 
ビタミンA B3(ニコチン酸欠乏)B12(悪性貧血 巨赤芽球性貧血(きょせきがきゅうせいひんけつ))ハンター舌炎)
鉄欠乏(鉄欠乏性貧血 プランマー・ビンソン症候群 赤色舌)
6.甲状腺機能障害 神経障害 唾液量の減少による

舌痛(いわゆる舌痛について)

舌痛も味覚障害と同じように、全身疾患を含めて舌に器質的変化をあたえるものや心因性のものがありますので、同じ手順で審査します。原因がわかれば除去します。

ここでは「いわゆる舌痛」について述べます。
「いわゆる舌痛」とは中高年の女性に多い、原因不明の舌痛です。「いわゆる舌痛」は以下の特徴があります。

Ⅰ 特徴


① 中高年に好発し圧倒的に女性が多い
40-60代が73% 性差は1:3で女性が多い

② 疼痛は表在性のものが過半数を占め、持続的、慢性で日常生活に支障をきたさない程度である。
食物が沁みるのではなく、口中になにも無いのにヒリヒリまたはピリピリするという訴えが最も多く、ついで舌が痛い、灼熱感、しびれると表現は多彩 口腔乾燥症やカンジタ症との鑑別は必要です

③ 疼痛は歯あるいは補綴物の接触する舌尖、舌側縁部に多発する

④ 摂食時や会話時には疼痛は軽快ないし消失をみることが多い
食事中は消失しています。このことから、神経の伝達障害(ある刺激で別の神経が興奮していまう)であるとも考えられています

⑤ 歯科治療を契機として発症するものを見る

⑥ 近親者の病死ことにがん死の体験をもち、がん恐怖を合併するものが多い

⑦ 身体的不定愁訴を併せもつ患者さまが多い


Ⅱ 原因


心因的要素と味覚障害と同様の肉体的な要因が考えられます。味覚障害と同様の検査が行なわれます


Ⅲ 舌痛症と亜鉛


舌痛症の患者様は自覚の有無にかかわらず、味覚検査を行なえば約半数に味覚異常を合併しています。血清亜鉛の低下が42%に見られます。さらに顕微鏡で舌表面に67%の異常が見うけられます。

原因は単一因子の症例が37%複合因子は63%です
複合因子の内容は味覚障害49%心因性48% 亜鉛欠乏46% 唾液分泌不全14% 鉄欠乏性貧血9%です。
原因がはっきりしたものはその処置をおこないます。この割合から亜鉛内服治療が効果的であることが分かります。

ページTOPへ

診断項目

歯が痛い・口臭が気になる

  • 歯がしみて痛いとき
  • 歯を削らない虫歯治療
  • レーザー治療
  • 口臭治療
  • 歯の根の治療
  • 歯周病

予防歯科・クリーニング

  • 予防歯科・クリーニング

白い美しい歯や歯並びに

  • ホワイトニング
  • 詰めたり被せたりするもの
  • 矯正歯科

失った歯を取り戻す

  • インプラント治療
  • 入れ歯

料金表

医院基本情報

ドクター向け

携帯サイト